☆Market UPDATE☆ 20170719_アメリカ小売業の死
こんばんは。
怖いタイトルで恐縮ですが、今日のFinancial Timesの記事に関して検討したいと思います。正確には、
"Will the death of US retail be the next big short?"
というタイトルです。『Short』とは、世紀の空売り(The big short)というマイケルルイスの本でもおなじみですが、金融業界では、『何かを売る』ことを表す言葉です。上記の本は昨年映画にもなりましたね。サブプライムローンに端を発するHousing marketの崩壊にまつわるストーリーが色々な参加者の視点で描かれており大変面白い内容だと感じました。
冒頭のタイトルは、次に売るべきものはアメリカの小売セクターか、ということです。リーマンショック時は住宅セクターがテーマでしたが、次は小売セクター。具体的には、デパートや、ショッピングモールのことでしょう。
何がこのテーマを生んでいるかというと、我々が普段使っている『アマゾン』を始めとする、eコマースの躍進です。小売全体の売り上げに占める割合はまだ小さいものの、そのシェアを伸ばすスピードには目を見張るものがあり、一方で、物理的に販売している小売業業界ではすでに今年9000近くのお店が閉店し、多大な小売のスペースがクローズし、毎月1万人近くの失業者を生んでいるとのことです。
この事態は非常に肌感覚でも理解しやすい部分があると思います。
普段ネットで買い物をすることが増えたなーと感じませんか?
以前と購買スタンスは変わったと感じませんか?
日本のいわゆる百貨店に最近行っていますか?消費していますか?
そして、数字でいうと、ある一定の売り上げを上げるのに、物理的にものを売るお店で必要なスタッフの数は、オンラインストアの約4倍になるとのことです。人件費の差が半端ではなく、オンラインストアの強さが生み出される要因の一例です。
お店が追い詰められ、閉店していくということは、それをテナントとしているショッピングモールの採算も悪化していくということです。シャッター街のようになったショッピングモールに担保価値はなく、資金のリファイナンスは難しくなっていくでしょう。
この小売のオンライン化の流れは、まだ始まったばかりであり、急速ではありませんが、着実に進んで行く、もしかしたら加速していくトレンドと言われています。
くしくも、昨日Amazonは史上最高値を更新しました。
最高値をつけたAmazonをここから買い上がっていくのは気がひけるかもしれませんが、少なくともアメリカの小売セクターはショートすべき対象であることは理解しやすいかと思います。ドットコムバブルやサブプライムローンの崩壊に匹敵する下げがマーケットで起きるかもしれません。その時に備えて、投資の準備をしておくことが個人投資家にとっては大事かもしれませんね。
本日の結論
アメリカの小売セクターは売り
Good luck trading!
LighT
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